2007/10/06

演技について、久しぶりに考えてしまった


台詞で、演技をした所で、迫真な演技は出来ない。


台本の行間に隠れたひとりの人間を、心の底から感じ取り、

その人間の感情を、そのまま感じながら、演じないと、

真に、迫る演技は、どうしても出来ない。



もう一つ加えるならば、


それは、舞台という特殊な場所で演じているという、冷静な意識。


目的は、あくまで客に何か伝えることで、

そのために、どう振舞うべきか、

そのために、何を意識すべきかを、考えながら、

舞台全体を感じ取り、


そこに自分を置いて、次の演技を始めなければならない。



この相反する、

演技に入り込んだ状態と、

冷静に、舞台と自分を捉える意識が、

とてつもなく、微妙なバランスの上で、

美しく踊りだしてこそ、


偽りの無い人間が、舞台の上に生まれる。



今日見た映画「フラガール」で、

改めてそれを感じさせられた。



心の底から、感じ、

言葉にしたものには、本物の感動がある。



映画の間に挟まれるCMに登場する、

目が死んだ、踊らされている人たちを見ていると、


いくら綺麗でも、


いくらカッコよくても、


いくらかわいくても、



どこか、そこに、

描かれている鮮やかさの中の、暗い部分を感じ取ってしまう。



映画についても同じ。


演じている役の感情を、感じれないまま、

名前だけで、抜擢された人は、


節々に嘘っぽさが付きまとう。


逆に、役に心底入り込んだひとは、


外見の良し悪しには関わらず、

人間模様の織り交ざった、


素朴な美しさがある。



普段から、思っていることだが、

男の僕からすれば、


大抵の女性は、十分なほどの魅力を持っている。


ただ、その表現の仕方が下手で、

もしくは、取り違えていて、


不細工な表現しか出来ていないだけ。



本当に、殆どの人は、

自分の魅力を、知らずに生きている気がする。



そういう時は、

下手な役者を見たときと、

おんなじ気持ちになる。



素晴らしい台詞があるのに、

その、本当のよさをわからずに演じるのと、

全く同じだ。

僕からすれば。。。



もちろんそれは、

殆ど全ての芸術に対して言える。


もったいない


この言葉に尽きる。



ほんとうに、もったいない。

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