2008/01/31

あらたにす-朝日・読売・日経 読み比べ-

これまで、googleニュースなどで読み比べができていたが、
地方紙が検索の上位に引っかかったりして、
有力紙の動向を探る、有効な手立てがなかった。

今回、日本の有力三誌が一同に介し、ネットサイトを立ち上げた。
あらたにすの誕生である。


これまでも言われてきたことだが、

読売-政府・自民党 寄り、批判性が薄い
朝日-リベラル・反政府・ゴシップ・(最近は民主寄り)
日経-経済偏重

と揶揄されていきた。
さて、どうなっているだろうか。

早速一番差が出るであろうと思われる、
社説(各編集委員長の所見)の読み比べをしてみた。

読売-衆参議長斡旋案・社会保障国民会議
朝日-衆参議長斡旋案・あらたにす
日経-衆参議長斡旋案・サブプライムローン問題(金融不安)

朝日が社説に「あらたにす」を書くほど、熱を入れていることによって、
「あらたにす」が、朝日主導で行われたのでは、と感じられる。

社会保障国民会議は、見事といっていいほど、
昨日の朝日の社説と正反対の意見を言っている。

というよりも、それぞれが、自己主張しているという感じだ。

朝日は、民主党側
読売は、自民党側

の意見をそのまま言っているだけになっている様な感じを受ける。

さて、問題は、今日の衆参議長斡旋案についての見解だ。

端的に言うと、

朝日・日経 民主側
読売    自民側

の意見を主張している。

読売は、
「日本経済の先行き不安などに直面し、政治の停滞が許されない」として
「国民生活や経済の混乱回避を目的」を目的にした、つなぎ法案の採決に反対した
民主党の批判に終始しており、そこまで民主党の主張は間違っているのか、
疑いたくなるようなほどの傾倒ぶりだ。

朝日は、
自民に対して「悪しき前例」「数の横暴」
民主に対して「思惑ばかりが先行」と批判し、
両院議長の理性的な働きによって、事が好転したという見方だ。

日経は、
「国会の空転」を与野党が自制することによって乗り切れた事に対して、
一定の評価を与えている。
自民の暫定税維持を、国・地方の負債を考えると、維持すべきだとしつつも、
自民の道路整備計画を、小泉時代に見直した点を元に戻した事について、
民主の「一般財源化には利がある」「既得権益の保護と言われても仕方がない」
と主張しつつ、
民主の「再び審議引き延ばし」することについては、邪道であると一蹴している。

今回、非常に面白いと思ったのは日経の社説である。
日経は、経済偏重と呼ばれるだけあって、今回の国会騒動に関しては、
立場として中立をとれる。

その上での主張と、朝日の主張が、一定重なったことは、
朝日を評価すべきであろう。

同時に「経済不安」を主張しながら、
日経の主張と隔たりがある読売の主張には、
今回に限定すれば、問題があると思われる。

いずれにしても、「新s あらたにす」は、
興味深い舌戦で幕を開けた。

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