先日、車で来年から指導教官になっていただく先生の所に行ってきました。
目的は大学院選びの相談です。
既に、再三に亘って先生の所に、この件で相談に行っていますが、
今回は、大学院選びについては最後の相談として行ってまいりました。
ブログなどに載せている様に、現在の第一志望の研究室は、
東京大学、総合文化研究科、広域科学専攻の佐々真一研究室を志望しています。
理由は、僕自身が、非線形物理学とくにカオス論的な解釈から、
熱統計力学や量子力学における、確率的振る舞いを説明できるのではないか
という、解釈をしていることによっています。
佐々研究室は、統計力学を用いた、新しい物理学の発見を目標としており、
まさに、合致したものとなっているのです。
と、殆ど自分の中で答えを出しながら、先生に相談に行ったのは、
自分に無い視点を、加えるためでした。
つまり、今の考え方、今の進み方を評価したかったです。
大学に着いて、しばらく勉強した後、6時から先生がいつも来るそうなので、
教授室を覗くと、いらっしゃりました。
僕「現在、佐々研究室を志望先として考えているのですが…」
先生「佐々君ね、知ってますよ。だいぶ変わった人だね、悪い意味でというわけじゃなけど」
僕「はい。(どう思われますかというのは、おかしな感じがしたので、言葉に詰まる)」
僕「佐々先生の様な研究をされている方は、どなたかいらっしゃいませんか?」
先生「佐々君のようなというのは、人柄を言っているのか、研究内容言っているのか…」
僕「研究方法です。僕は、統計力学の確率の正体を研究したいと思っているのですが」
先生「なるほどね。いることはいますよ。例えば生体内での分子の振る舞いを研究とか生体内は、統計力学のように大きな系でもなくて、力学で扱えるほど小さな系でもない。 そこから、何か方法論を立ててという人はいるね」
僕「カオスとかフラクタルを使った方というのはどうですか?」
先生「う~ん。いるよ。もちろんいる。例えば立命の工学部とか」
僕「工学部の研究室というのは、応用の研究ばかりしてそうで、基礎の研究をしてそうにないと感じて、テが出しにくいのですが」
先生「そんなことはないよ。工学部でも教養としての物理であるとか、数学であるとかが必要だから、
そういう所に、結構そういう先生はいってるね。まぁけど、関学みたいに、小さいながらも理学部で物理をやるのと、教養として物理を教えて、研究をするのとではやっぱりだいぶ違うね」
僕「そうですね。院生が物理の学生ではないですから、よってこないでしょうし」
先生「そういうところは、工学部用になにか研究を設けたりしている所もあるね」
僕「数学系に行った物理の方はどなんですか?」
先生「う~ん、例えばあるハミルトニアンの元で、相転移現象が本当に起きるのかなんて、証明しようとしてるね。そういうのは、物理の側からすれば、先に実際に起きてるんだから、証明しようなんておもわないよね」
僕「数学系にいった物理の方でも、そうなってるんですか?」
先生「そうやね。あっちじゃあそうじゃないと、やっていけないから」
僕「なるほど。数学系や工学系研究室はやめておいたほうがよさそうですね」
先生「僕らからすれば、あんまり変わらないんだけどね。工学系だろうが理学部だろうが」
僕「そうですね。とりあえず佐々先生に会ってきます」
先生「そうやね。けど、けっこう大変じゃない」
僕「そうですね。内部からは半分ぐらいが受かるんですが、外部からは大体3.5倍ぐらいです」
先生「そうだろうね。東大の大学院はどうなってるかというと、周りの大学から学生を吸収して行ってるんよね。たとえば、東工大なんてのも警戒してるんよね。何をしているのかというと、推薦なんかで囲い込もうとしているわけ。」
僕「なるほど」
先生「だから君自身もこないだ、試験の成績は気にしていないなんて言ってたけど、君はどっちかというとああいう…」
僕「そうですね。たしかに僕は入試とか試験とか言うのは苦手だと思います。」
先生「別にそれが悪いというわけじゃないんだけどね」
僕「そうですね。たしかに僕は、自分なりの解釈ができるまでジーっとやってしまいますから」
先生「うん」
僕「けどね、考えようによってはチャンスだとも思うんです。これまで、嫌がってやってこなかった、基礎を固める様な単純な問題を沢山解くというのは」
先生「そうやね。そうもいえるね。まぁけど、佐々君の様な研究は、伝統的にされてるような正攻法ではなくて、どっか当りはずれみたいなものがあるわけね。たとえば、物理の人が生命やった所で、生命の人からすると、どっかこうね」
僕「そうですね」
先生「だから、こう、どうせ、佐々君の様に、正攻法じゃないような事を将来やろうと思うなら、どうせ、どこかにいいお手本があるわけじゃあないんだから、ちゃんとした伝統的な研究をしている所にいって、そこからドクターぐらいからこう離陸するというのも考え方だと思うね」
僕「確かに、伝統的なところのほうが研究生がたくさんいますし、自分と合う人も見つけやすいでしょうしね。」
先生「そうやね。それに、こう伝統的であれ、その中で少しずつ物理が発展してゆくわけね。また、そういうところには、最前線にいるわけだからいろんな情報が入ってくるわけね」
僕「なるほど、そうですね。けど、佐々先生の所に行くというのは、その、新しい形で切り込んでゆくというその方法論みたいなものを盗みに行きたいとは思うんですが」
先生「なるほどね。まぁけど、いってみて話を色々と聞いて、それからやね」
僕「そうですね。とりあえずは行って話して来ます」
先生「あぁ、あんまりこう、真剣に こー ならないことやね」
僕「はい。ありがとうございました。 失礼します。」
以上が、話した大まかな内容です。こうやって親身になって色々とお話くださる方がいて本当に幸せだと思いました。
今回の話で、感じたのは、大きな研究室に行くのも、一つの考え方だということ。
また、掲載しなかったが、たとえそこで、今僕がやりたいことがなかったとしても、
その研究室のテーマの中から、そんなものはやってるうちに自ずと見つかるということ。
をかんじました。
後者を取るならば、いまやっているような基礎固めの勉強を捨てて、今まで僕がやってきた
興味が赴く所を徹底的にするという事は、むしろ僕の個性を引き出す上で、意味のあることだと
捕らえることができる。
もう一度、自分を振り返ると気が来た気がする。
もしかしたら、興味の向くようにするのが一番かもしれない。
2 件のコメント:
大学院の選択肢は、経済的な問題から大阪大学院しかないです。トホホ…
ぼちぼち趣味にかまけずに勉強しょうと思います。
全然関係ないけど、K君も僕と同じ所狙っていた気がする。
二人は、腐れ縁かもしれませんね(笑)
お互いに、勉強の刺激を与え合える人がいて、うらやましい。僕も、院ではそういう人を見つけたいです。勉強が得意な人ばかりではなくて、示唆に富んだ物理学生はいないものですかねぇ。。。トホホ
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